ここでは、会社が支給したパソコンはどこまで監視されているかについて説明します。パソコンの業務以外の使用が禁止されている理由や、監視される内容、そしてユーザー側で監視アプリの停止や削除ができない理由なども説明します。また、大きい会社と小さな会社の場合における監視の違いについても紹介。その他、会社のパソコンを使用する際に注意すべきことや、監視されていることを前提に会社のパソコンを使用することが重要である点についても解説します。
大きい会社の場合
大きな会社の場合、従業員が使用するパソコンに監視ツールが導入されていることが多くあります。そのため、会社内での業務に限らず、テレワークを行う場合にも、会社のパソコンはほぼ常に監視されていると考えることが適切です。そのため、個人情報やプライベートな情報を扱う場合は特に注意が必要です。
また、大きな会社では、セキュリティ面を強化するためにネットワーク監視も行われている場合もあります。そのため、従業員がむやみにダウンロードやアップロードを行うと、管理者に通知される場合があるので注意が必要です。
さらに、副業を行う場合には、会社の規則に従って行うことが望ましいでしょう。以上のように、大きな会社で働く場合には、会社のパソコンは常に監視されているという前提で行動することが求められます。業務に関する情報以外のプライベートな情報を扱う場合には、会社のルールを守り、セキュリティに注意することが重要です。
小さな会社の場合
小さな会社の場合、監視ツールが導入されていない場合も多く、テレワークの監視が手薄な場合もあります。ただ、業種によっては、個人情報やクレジットカード情報の取り扱いが多い場合は、監視ツールが導入されている場合があるため注意が必要です。
会社のパソコンが監視される内容も、監視アプリによっては、ほぼ全て監視可能な場合があります。例えば、PCの起動や終了・ロック・Webサイトの閲覧履歴やファイルの閲覧・ダウンロード・アップロード履歴、ビデオ録画・接続したWiFiのID、メールのやりとり、アプリのインストールや操作、GPS情報などが挙げられます。
基本的にはユーザー側で監視の停止や監視アプリの削除は難しいです。また、会社のパソコンで注意すべきことは、監視されていることを前提に操作すること、プライベートな情報を含むSNSや銀行口座・証券口座の閲覧を避けること、ダウンロードやアップロードをむやみに行わないこと、副業をやらないことなどが挙げられます。このように、会社支給のパソコンには監視ツールが導入されている場合が多いので、会社のパソコンを使用する場合には注意が必要です。
監視される内容はどこまで
会社のパソコンは、監視アプリによりけりだがほぼ全て監視可能です。例えば、パソコンの起動や終了、Webサイトの閲覧履歴、閲覧したファイル、ダウンロードしたファイル、アップロードしたファイル、ビデオ録画、接続したWiFiのID、メールのやりとり、アプリのインストールや操作、GPS情報などが監視されます。
監視アプリによっては、さらに細かい操作も監視されます。例えば、キーボード入力内容やマウスの操作履歴、クリップボードの履歴なども監視されることがあります。また、一部の監視アプリでは、スクリーンショットを自動的に取得し、管理者が確認できるようにする機能もあるので注意が必要です。
これらの監視内容は、会社にとって重要な情報であり、従業員の行動を正当化するために使用されることがあります。そのため、従業員が私用で会社のパソコンを使用する場合は、監視を避けるために、別のパソコンを使用することが望ましいです。
業務の進捗管理
テレワーク監視ツールの利用アプリ表示やタスク管理機能を活用すれば、「今、会社のPCで何をやっているのか」が一目でわかります。テレワークの場合、進捗管理のためにチャットやWeb会議で随時報告を求めれば、社員はその都度業務の手を止めなければなりませんが、この機能を使えばそのような手間も省くことができます。
セキュリティリスクの抑止
社外で業務を行うことにはリスクが伴いますが、例えば、暗号化されていない公衆Wi-Fiに会社のパソコンを接続したために起こるデータの漏洩事故などがあります。上司が見ていないからとネットサーフィンをして怪しいサイトを閲覧したり、セキュリティソフトを入れていない私物の端末を利用してマルウェアに感染するといったケースも後を絶ちません。
また、誰も見ていなければ、悪意を持って機密情報をダウンロードしたり、外部に持ち出したりすることも可能です。そのため、会社のパソコンが危険にさらされたり、不正な操作が行われたりした際にすぐ気づくことができるよう、端末を監視することは必須といえるでしょう。
サボりのチェック
テレワークでは、誰にも見られる心配がないので、オフィス勤務に比べてサボりが発生しやすくなります。しかし、会社のパソコンが監視されているとなれば、自然とサボりは抑止され、業務に集中することができるようになるでしょう。
部下の立場では、「サボっていると思われているかもしれない」という不安から、過度のプレッシャーを感じて働きすぎてしまうことなどが挙げられます。このようなことがなぜ起きるかというと、テレワークでは働きぶりを見ることができないために起こることです。しかし、オフィスに近いレベルでの監視環境があれば、きちんと仕事をしていることを証明することができます。
長時間労働の防止
自宅などのプライベートな空間で仕事をしていると、オンとオフの切り分けが難しくなります。特にテレワークでは業務プロセスが見えないため、成果偏重となり、夜や休日も休まずにストイックに業務に取り組んでしまうこともあります。
退勤した後にこっそり残業することもできるため、自己申告制の勤怠管理では隠れ残業の温床になってしまうこともあるでしょう。そのような場合、パソコンのログイン時間を記録したり、操作ログを残すツールを使えば、隠れた長時間労働などの異変に気づくことが可能です。
適度な緊張感の維持
自宅で作業しているとやる気が出ないのは、緊張感が欠けているせいかもしれません。誰にも見られていなければ、気が緩んでしまいがちです。オフィスでチームメンバーと一緒に仕事をしていると、現場の臨場感や緊張感がモチベーションを上げてくれていることに気づきます。
テレワーク環境であっても、周囲に仲間がいる、仕事のパフォーマンスを見ている人がいると感じることで、仕事に対する意欲を維持することができます。
コミュニケーションの活性化
テレワークを導入する企業が増える中、コミュニケーションの活性化が課題です。一方で、テレワークでは相手の在席状況や行動を確認することが難しく、メールやチャットなどのコミュニケーション手段でのやり取りが遅れることがあります。そこで、大きな会社では監視ツールが導入され、社員のPCの起動や終了、Webサイトの閲覧履歴、閲覧したファイル、ダウンロードしたファイル、アップロードしたファイル、ビデオ録画、接続したWiFiのID、メールのやりとり、アプリのインストールや操作、GPS情報などが監視されています。しかし、この監視情報はコミュニケーションの活性化にも繋がります。
監視されているか気づくことはできる?
監視アプリによっては、アプリ一覧やサービス一覧に監視アプリの名前が表示され、どのアプリで監視されているか分かる場合もあります。ただし、監視アプリを隠すために表示されない場合も。
また、監視されているかどうかを確認する方法として、社内の規則やポリシーに目を通したり、さらにIT部門やセキュリティ部門に問い合わせることで、自身が監視されているか確認が可能です。ただし、会社によっては、社員に対して監視の事実を明かさずに監視を行う場合もあります。そのため、自身が監視されているかどうかを自覚することは難しい場合もあります。
利用者側で監視の停止や監視アプリの削除はできる?
会社のパソコンのアプリの削除は基本難しく、削除しようとしてもパスワードがかかっている場合もあります。また、会社から配布されたパソコンの場合は、管理者権限を持つ人がいるため、ユーザー側で監視の停止や監視アプリの削除はできないことがほとんどです。
もしアプリの停止や削除ができたとしても、監視の停止や削除により、情報漏えいやセキュリティ上のリスクを招く可能性があるので注意が必要です。
パソコン操作を監視するのは違法?プライバシーは?
会社のパソコンを私的に利用して職務に専念する義務に違反していると疑われる場合などには、使用者として、その様子を監視すること・PCを確認することも、法的に許されています。
例えば、「会社所有のパソコンで、従業員がずっと業務と関係のないネットサーフィンをしている」と疑われるケースや「私的メールのやりとりをしている」と疑われるケースなどです。
会社は従業員を監督指揮する立場にあり、必要性があれば、従業員のパソコン画面を監視カメラで撮影して、私的利用があるかどうかチェックすることや、パソコン自体を検査してメールやネットのログを探索するということも、会社所有パソコンであれば違法性は原則ありません。
会社のPCで注意すべきこと
会社のパソコンを使用する場合には、監視されていることを前提に操作することが重要です。SNSや銀行口座、証券口座を閲覧することは避け、プライバシーが漏れないように注意する必要があります。また、むやみにファイルのダウンロードやアップロードを行わず、管理者に通知が行く可能性もあるため、注意が必要です。副業を行う場合にも、バレるとクビになる可能性があるため、避けることが望ましいです。